- 2019/03/12 ステンレス製 塗料ヒーター(83000X) [ Japanese ]
この取扱説明書は、設置・運転・整備を行う前に注意深くお読みください。
事業所の義務として、この取扱説明書は必ず運転担当者にお渡しください。 また今後の参考に大切に保管してください。
塗料ヒーターの仕様
型 式 83000X
接液部材質 ステンレススチール
電 源 830000
830001
830002
120 V, 16.6 A
230/240 V, 8.3 A
415/440 V, 4.5 A
消費電力 2000 W
保温精度 ±1.9 ℃
加温可能温度 +38 ℃(周囲温度に対して)
最大使用圧力 35 MPa
最大温度調節範囲 16~121 ℃
表面温度コード T3 (200 ℃)
液通路口径 9.4 mm
液通路長 232.9 cm
流通路容量 0.162 ℓ
入/出接続口径(F) 1/2-14N.P.T.F.-1
質 量 8.2 kg
1. 外形寸法
2. 概 要
ビンクスのステンレス製塗料ヒーターは、交流120V、
230/240 Vおよび415/440V仕様があり、加熱エレ
メントは2000Wカートリッヂ型で自動温度調節され
ます。電源回路、加熱エレメントそしてサーモスタッ
トはプリセットされた加熱リミッターにより保護され
ます。
サーモスタットは最高121℃まで調節可能で、調節
ノブを左に回しきるとOFFになります。ヒーターは
調節ノブを周囲温度以上に上げないと働かない仕様と
なっています。
塗料ヒーターは工場出荷時水溶性液でテストされて
います。そのためヒーター内には残留液が残っている
可能性があり、ご使用前には必ず使用塗料と適合性
ある溶剤で洗い流してください。
このユニットは防爆回路を使い、内部には渦巻き
状部分があります。 ポンプで圧送された塗料は
下部入口から入り加温された後、上部出口に搬送
されます。
このユニットはCSAの認証を受けています。
(Class1-Division1-Group1、危険物)
温度コードはT3で、防爆技術基準の外表面最高温
度区分が200℃であることを示します。
2つあるいはそれ以上のヒーターを連結して使用
する場合、最初のヒーター出口と次のヒーター
入口を結ぶパイプ長は、最大90 cm以内でお使い
ください。(参照:図4)
3. 正常な設置方法
ヒーター内へのエア混入を防ぐため、ヒーターは図4
のように垂直に設置してください。 もし上下逆にした
場合は、温度加温特性が変わります。
ステンレス製 塗料ヒータ―
取扱説明書 (83000X)
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4. 操作上の事前注意事項
全ての警告に注意すること!
最大圧35MPaを超えないこと
高圧機器注意
この機器は正しく使用しないと深刻なケガにつながる
危険があります。人体を損なうことがありますので、
直接塗料出口に触れたり、出口の前に身を置いたり
しないでください。
塗料が人体に入ると深刻な症状となります。人体に
入った場合すぐに医師の手当を受けてください。
洗浄の際は、必ず電源をきること。
より長い機器寿命を確保するために、ビン
クスの純正交換パーツをお使いださい。
5. 電源供給と設置
注 記 電源ケーブルはユニットに同梱されておりま
せんので、お客様方でご用意願います。
無極接地仕様の電源ケーブルは使用しないこと。
単相交流/接地型であることが必要で、単相交流の
トランスをお使いください。
このユニットへの電源供給を即時停止できる設備を
必ず備え付けください。
使用する電源ケーブル・機器は全てその地域・国の
規準に合致するものでなければなりません。
適用される電気規準は厳重に守られなければなら
ず、これを怠ると感電やひどいけがにつながり
ます。
地域の電気規準によっては、厳格な配線設置が
必要となります。
このシステムの設置者は、これらの規準に従う
全ての責任を負います。
ビンクスは、間違った機器の設置から発生する
事故に対して一切責任を負いません。
カバーを取外す場合は、必ず事前に電源を落とす
こと。
6. エアと潤滑油
ビンクスのフリーフローシステムで、通常使用される
溶剤とその最低沸点
炭化水素系(石油ナフサ) 沸点(℃)
VM&P 118
ミネラルスピリット 157
無芳香ミネラルスピリット 178
芳香族(テルペン類)
ベンゼン 78
トルエン 110
キシレン 138
ガムテレピン油 155
ジペンテン 175
アルコール類
メタノール 64
イソブチルアルコール 106
ナイブチルアルコール 116
ケトン類
MEK 79
アセトン 50
ジアセトン 140
7. 操 作
■始動手順
1. システムを塗料で満たす
2. システムに塗料を循環させる
システム内が溶剤だけの場合、電源を
けっしてオンにしてはならない。
循環がないと溶剤が膨張し、システム内
を過度な危険圧にする。
3. 電源を入れる。
4. サーモスタットの設定温度を、塗料内溶剤の中で
最も低沸点のすぐ下の位置に合わせる。
(上表参照)
5. ヒーター内を塗料が5~10分で循環するように
する。
6. 必要に応じてサーモスタットを再設定する。
7. 温度を設定するには、次の様にノブを回す。
a. 時計回り :より高い温度設定
b. 反時計回り :より低い温度設定
■停止する際は、
1. ヒーターを止めた後も、システムを冷ますため
塗料は5~10分循環させること。
2. いついかなる時もヒーターから溶剤や塗料を抜く
こと。
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8. 保 守
(22)塗料トラックは鋳込み組立されており、洗浄のた
め分解することはできません。ヒーター内部には凝固
する物質を入れてはならない。塗料ヒーターを直ぐに
適当な溶剤で洗い流すこと。
塗料ヒーターの各部を保守するときは、
始める前に電源を切り、全ての圧力を取
り除くこと。
■クリーニング
1. 塗料ヒーターを洗浄する際は、搬送する媒体と適
合性ある溶剤のみを使用すること。
2. 塗料ヒーターは、媒体を変える時、ある期間使用
しないときは、必ず洗浄しなければならない。
注 記 他の保守上の問題はトラブルシュート参照のこと。
9. 分 解
注 記 以下は、(24)ヒーターカートリッヂアッセンブリ、
(29)サーモスタット、(23)カットオフアッセンブリの
交換手順です。
1. システムの全ての圧力を解放すること
2. (17)調整ノブを反時計回りいっぱいに回しOFF
にする
3. 塗料ヒーターアッセンブリへの電源コードを外す
4. 塗料回路を外す
5. 6つの(2)キャップネジを外す
6. (20)カバーを外す
7. サーモスタットアッセンブリを固定している
(21)ハウジングから2つの(12)小ネジを外し、
(11)ロックワッシャーを外す
8. (10)ターミナルブロックを組んだまま外し、(29)
サーモスタットと(13)取付け金具をそっと持ち
上げ取出し、(10)ターミナルブロックの第1、
第2ポジションから(1)と(3)のパワーリード線を
外す
9. (24)ヒーターカートリッヂのリード線を
(10)ターミナルブロックの第3、第4ポジション
から外す
10. (22)塗料トラックボディからサーモスタットの
細いチューブを引き、その組み部を注意深く取出
す。
注 記 サーモスタットを破損させないため、細いチュ
ーブを折ったりもつれたりしないように細心の
注意をはらうこと。 チューブの破損をさけるた
めペンチなど器具は使わないこと。
11. (10)ターミナルブロックの第3、第4ポジション
から、(28)表示ランプ用のリード線を取外す
12. (15)サイトプラグを緩め、(28)表示ランプを
ブロックから取外す。
13. (23)カットオフアッセンブリのリード線を(10)
ターミナルブロックの第2、第4ポジションから
取外し、(23)カットオフアッセンブリを(22)塗料
トラックから注意深く取外す。
10. ヒーターカートリッヂの取外し
1. (24)ヒーターカートリッヂアッセンブリを(22)
塗料トラックから引き出す。
注 記 (24)ヒーターカートリッヂが容易に外せない
場合、次のようにすること
A) (25)パイププラグを(22)塗料トラックから外す
B) (24)ヒーターカートリッヂアッセンブリをヒー
ターの上部を通してカバーに向かって押しやる。
11. 再組立
1. 再組立は分解の逆順序で行うこと。
注 記 (23)カットオフアッセンブリから(29)細チュ
ーブを取出す際は細心の注意をはらうこと。
注 記 (20)カバーを着ける際、(17)調節ノブがOFFに
あることを確かめること。 (18)ネジが締め切ら
ない場合、ハウジングに対してカバーが正しく
水平に被さっていない可能性がある。
2. 一度調節ノブを時計方向にいっぱいまで回し、
サーモスタットとスロットが一直線に揃う処まで
注意深く少しずつ戻す
3. (24)ヒーターカートリッヂアッセンブリに
ワット潤滑油(熱安定性潤滑油)を塗る。
4. (29)サーモスタット針と(23)カットオフアッセ
ンブリにダウコルニング340 シリコンヒートシ
ンクコンパウンド(同等品)を塗る。
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12. パーツリスト:83000X
No. 部品番号 名 称 数量
1 14ゲージワイヤー(12㌅長、黒) 1
2 キャップネジ(3/8 ㌅-16x7/8㌅) 6
3 14ゲージワイヤー(12㌅長、赤) 1
4 小ネジ(# 10-24x1/4㌅) 1
5 リングターミナル 1
6 14ゲージワイヤー(7㌅長、緑) 1
7 パイププラグ(1/2-14P.T.F.) 1
8 小ネジ(# 6-32x5/8㌅) 4
9 ナット(#6-32 ) 4
10 ターミナルブロック 2
11 ロックワッシャー(#6) 4
12 小ネジ(# 6-32x1/4㌅) 4
13 取付け金具 1
14 873025 サーモメーター(-17.8~121℃) 1
15 873310 サイトリング 1
16 リテーニングリング 1
17 873311 調節ノブ 1
18 873312 ネジ 1
19 キャップ 1
20 カバー 1
21 ハウジング 1
22 873034 塗料トラック(87 ㌅のステンレス製チューブ) 1
23 873026 カットオフアッセンブリ 1
24
873027
ヒーターカートリッヂ アッセンブリ
830000 (120V AC、6.84Ω) 1
873028 830001 (230/240V AC、27.36Ω) 1
873029 830002 (415/440V AC、91.96Ω) 1
25 パイププラグ(1/2-14N.P.T.) 1
26 キャップネジ(3/8㌅-16x1-1/4㌅) 3
27 873313 リテーニングリング 1
28 873030 表示ランプ 830000 (120V AC) 1
873031 表示ランプ 830001 (220V AC) 1
873032 表示ランプ 830002 (440V AC) 1
29 873033 サーモスタット(15.6~121℃)
(20A/480V AC)
1
30 ターミナル 5
31 14 ゲージワイヤー(6㌅長、黒) 2
32 ターミナル 2
33 ターミナル 2
34 ターミナル 2
35 ラベル 1
36 取付け金具 1
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13. トラブルシューティング
故障内容 症 状 処 置
塗料ヒーターが動作しない ヒーターユニットに通電していない ・主電源スイッチを確認する
・電源ヒューズなどを確認する
サーモスタットが壊れた ・サーモスタットを交換する
ヒートリミッターが焦げた ・ヒートリミッターを交換する
ヒートエレメントが焦げた ・ヒートエレメントカートリッジを交換する
塗料の温度が高過ぎる サーモスタットが破損している ・サーモスタットを交換する
サーモスタットの設定が間違っている ・サーモスタットを設定し直す
塗料流量に異常がある 塗料がヒーター内部で固まった ・塗料ヒーターと塗料通路を洗浄する
塗料の温度が低過ぎる 塗料がヒーター内部で固まった ・回路の接続を確認する
サーモスタットが破損した ・サーモスタットを交換する
サーモスタットの設定が間違っている ・サーモスタットを調節する
塗料がヒーター内部で固まった ・塗料ヒーターと塗料通路を洗浄する
塗料の流量が速過ぎる ・塗料の流量を下げる
塗料の加温に時間がかかり過ぎる 架電圧が低すぎる ・回路の接続を確認する
塗料がヒーター内部で固まった ・塗料ヒーターと塗料通路を洗浄する
設置例
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17-05-Rev.D-J03