- T2AGPV LVMPコンパクト⾃動ガン取扱説明書 [ Japanese ]
重要:機器をご使⽤になる前に必ず 2 ページの安全に関する予備知識をお読み下さい。
概 要
T2AGPV LVMP ガンは、⾼塗着効率を⽬的として開発されたもので、最⼤の特徴は従来ガンに⽐べはるかに少ないエア消費量で、⾼微粒化が得られ
⼜、⾼い塗着効率を得られる事にあります。LVMP とは、Low Volume Medium Pressure の略で Low Volume(低エア消費量)Medium Pressure(霧化
エア圧が中圧)の意味です。
⼩型軽量化した LVMP のコンパクト⾃動ガンは、ロボットや⾃動機に装着して使⽤するのに最適です。型式⽤途は、下表の通りです。エアキャップでの実
際の圧⼒はエアキャップテストキット(別売)にて測定できます。
型 式
ガンの型式の表し⽅
(例)T2AGPV - A 7 8 - 805MT2 - FX
表 1
エアキャップ 塗料ノズル(サイズ)
(mm)
パターンサイズ,形状 主な⽤途
刻印 部品番号
805MT2 AV-1239-805MT2
G(0.7)
FX(1.1)
FF(1.4)
FW(1.6)
E(1.8)
220mm
ブラントエッジ
⼀般塗料⽤
⽔性塗料⽤
807MT2 AV-1239-807MT2
G(0.7)
FX(1.1)
FF(1.4)
FW(1.6)
E(1.8)
280mm
テイパードエッジ
⼀般塗料⽤
⽔性塗料⽤
表 2
エアキャップ ノズル刻印(サイズ mm) 部品番号(ラップドセット)
805MT2
807MT2
G(0.7) T2AG-440-G
FX(1.1) T2AG-440-FX
FF(1.4) T2AG-440-FF
E (1.8) T2AG-440-E
805MT2
807MT2
G(0.7)
FX(1.1)
FF(1.4)
FW(1.6)
塗料ノズル(ソフトシート) ニードル
T2AG-4S-G
T2AG-4S-FX
T2AG-4S-FF
T2AG-4S-FW
T2AG-402-FZ
T2AG-402-FZ
T2AG-402-FZ
T2AG-402-FZ
ノズル記号
G:0.7mm
FX:1.1mm
FF:1.4mm
FW:1.6mm
E:1.8mm
エ ア キ ャ ッ
プ:
805MT2
807MT2
ガン基本型式
塗料吐出量調整
A:可変タイプ
F:固定タイプ
塗料通路
8:非循環型
9:循環型
ボディ材質
6:アルミニウム
7:ステンレス
T2AGPV LVMP
コンパクト⾃動ガン取扱説明書
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安全に関する予備知識
本取扱説明書は、使⽤される⽅の安全と機器の故障を防⽌するため、次の 3 段階の⾔葉で表現されていますので、
特別な注意をはらってください。
警告 重度のケガや、⼈命に係わる原因となるような重要な内容。
注意 機器の損傷を防ぐための重要な内容。
注記 注意しなければならない内容。
警告
下表には、機器を使⽤中に起こりうるひどい怪我や、⼈命に関わる原因など重要な情報が記載されていますので良くお
読み下さい。
危険発⽣場所 危険事項 安全⼿段
⽕災 塗料及び溶剤は、スプレー霧化される
と、可燃性蒸気が発⽣しやすくなりま
す。
1. 可燃性蒸気がたまらないよう⼗分な換気を⾏って下さい。
2. 塗装エリア内でたばこを吸わないで下さい。
3. 塗装エリア内に消化器を備えて下さい。
4. 塗装エリア内の溶剤バケツ、消化機具等導電性の物体に静電
気が放電しないよう必ずアースして下さい。
5. 洗浄に溶剤を使⽤する時:
・ 洗浄に使⽤する溶剤は、引⽕点が使⽤している溶剤と同等
かそれ以上の物をご使⽤下さい。
・ ⼀般的な洗浄に使⽤する溶剤は、引⽕点が 37.8℃以上の
ものをご使⽤下さい。
有害化学物質 ある種の塗料は、吸ったり肌に触れる
と⼈体に有害な物が有ります。
1. 塗料⽸に貼ってあるラベルを確認して下さい。⼜は、メーカーに
問い合わせて下さい。
2. ⼗分な換気を⾏って下さい。
3. 使⽤する塗料の濃度に適合する防護機具をご使⽤下さい。
爆発の危険 ハロゲン炭化⽔素溶剤:
例えば、塩化メチレンと 1.1.1-トリクロ
ロエタンは、多くの機器に使⽤されるア
ルミニウムと化学的に適合しません。こ
れらの溶剤は、アルミニウムと科学反
応を起こしやがて爆発する恐れが有り
ます。
アルミボディの機種は、これらの溶剤に適合しません。⼜、ポンプ,レギ
ュレータ,バルブ等の多くの塗装機器にもアルミニウムが使⽤されて
います。塗装前にすべての機器についてチェックし、安全な事を確か
めて下さい。⼜、使⽤する塗料についてもラベルをご確認下さい。
⼀般的なメインテナンス 誤操作及びメインテナンス適切でない
と危険を⽣じます。
1. 塗装者は、塗装をする為の適切な教育を受けて下さい。
2. 塗装を始める前にガンの使⽤⽅法と安全に関する予備知識を
お読み下さい。
3. 換気、消防法、環境規制等地域の規則に従って下さい。
⾳量-⽿に障害 このガンが発⽣するエアの継続したノ
イズの値は、エアキャプとノズルの組合
せにもよるが、85dB を超えません。⾳
量測定は、通常のスプレーする状態
でサウンドレベル計とアナライザを使⽤
しています。
ガンを使⽤する際、イアプラグをご使⽤下さい。
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危険発⽣場所 危険事項 安全⼿段
溶剤スプレー 溶剤で洗浄、フラッシングする際、圧
⼒のかかったエア・塗料通路が破裂す
る恐れが有ります。溶剤は、⽬を傷つ
ける危険が有ります。
保護メガネを着⽤して下さい。
誤使⽤:
・ すべてのスプレーガンは、⾼速で微粒⼦が⾶び出すように作られています。危険ですから⼈にガンを向けないで下さい。
・ エア機器の最⼤推奨エア圧⼒を超えないよう注意して下さい。
・ 誤った継⼿⼜は、オリジナルでない継⼿の使⽤には危険が伴います。使⽤を避けて下さい。
・ 洗浄⼜は、メインテナンスの為機器を分解する場合は、すべてのエアと塗料の圧⼒を機器から開放して下さい。
不必要な塗料は、地域の条例に従い適切に処分して下さい。有毒化学物質の混ざった塗料⼜は、有毒化学物質を発⽣させる塗料
は特に危険です。
仕 様
最⼤エア圧⼒ 0.69MPa(7.0kgf/c㎡)
最⼤塗料圧⼒ 0.69MPa(7.0kgf/c㎡)
シリンダーエア圧⼒ 最低 0.34MPa(3.5kgf/c㎡)
最⼤ 0.49MPa(5.0kgf/c㎡)
重 量 730g(SUS製、可変式、⾮循環型)
336g(アルミ製、可変式、⾮循環型)
マウンティングスタッド(別売り) 直径 19mm×51mm
塗料⽤チューブ 6×4mm
CYL エア⽤チューブ 6×4mm
CAP エア⽤チューブ 6×4mm
FAN エア⽤チューブ 6×4mm
表.3 805MT2,807MT2キャップ内圧力とエア消費量L/min
278
150
200
250
300
350
400
0.07MPa 0.11MPa 0.16MPa 0.20MPa 0.24MPa 0.28MPa
推奨使用範囲
(ガン手元) (0.10MPa) (0.15MPa) (0.20MPa) (0.25MPa) (0.30MPa) (0.35MPa)
キャップ内圧
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取 付
図 1.外形⼨法
図 2.取付例
ガンの取付は別売のガンスタッド(φ19)を使⽤するか、ブラケット(14)の 8.2mm⽳で固定します。
注意
ガンに供給されるエアは、⽔分・油分ほこり等を取り除いたクリーンなエアでなければなりません。
操 作
1. 塗料を調合し、適切なメッシュのストレーナでろ過して下さい。
2. CYL エアを 0.34~0.49MPa に設定して下さい。
3. 可変タイプを使⽤の場合、アジャストスクリューは、全閉から約 4回転戻しで全開状態(軽くカツンと当たる処)になります。それ
以上戻さないようにしてください。
4. CAP・FAN エア圧を仮に 0.20MPa ぐらいなるよう調整して下さい。
5. FLUID圧は、0.07~0.1MPa ぐらいに調整してください。
6. CYL エアを ON し、試し吹きしてみます。所要のパターンが得られるまで塗料圧及び CAP・FAN エア圧を調整して下さい。
塗料の吐出量調整は、供給側で⾏うのが望ましいのですが、アジャストスクリューを絞っての調整もできます(可変タイプの場
合)。その場合は、チップ・ニードルの寿命が縮まったり、絞りすぎでパターンが変形したりする恐れがあります。CAP エアは、オー
バースプレーを最⼩限に押さえる為、エア圧をできるだけ低く設定して下さい。FANエアは、CAPエアに⽐べ設定が⾼すぎると
パターン割れをおこしますのでご注意ください。
保護メインテナンス
警告
けがをする危険があります。装置及び塗料通路は、分解・洗浄の前に必ずすべての圧⼒から開放し、付属の取扱説明
書に従い作業してください。
洗 浄
1. 圧送タンク⼜は、供給ポンプの取扱説明書に従って、供給機器の洗浄をしてください。
2. その供給機器⼜は別個の供給機器より洗浄シンナーをガンまで供給してください。
3. ガンの CYLエアをON し、きれいな洗浄シンナーが出てくるまで塗料通路を洗浄して下さい。エアと溶剤をミックスして出せるクイッククリーナ
ーを使⽤すれば、溶剤が節約出来、洗浄効率も上がります。クイッククリーナーは、アクセサリー覧を参照下さい。ガンボディ外側の汚れは、
溶剤に浸したウエスで拭き取って下さい。
4. ガンを塗料循環式により使⽤されている場合は、ガン先端の洗浄の為、⼀時的に塗料戻り側が閉まる回路が組まれていると便利です。
エアレギュレータ
CAP FAN CYL
パイロットバルブ
スピコン
三方弁
手動 ON-OFF
シャトルバルブ
自動 ON-OFF
電磁弁
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注意
決してガン本体を丸ごと溶剤に浸さないで下さい。固形物等によりガン内部が破損する恐れがあります。
注意
エアキャップは、外して溶剤につけておき、ブラシで汚れを落として下さい。⽳が詰まっている場合は、つまようじで清掃するようにし、決
して針⾦等の硬い物を使⽤しないで下さい。エアキャップ⽳は、わずかな傷でもパターンの乱れを起こします。
部品交換
使⽤⼯具
レンチ,スパナ
10mm、13mm、ボックスレンチもしくは、メガネレンチ
プライヤー(ニードル Assy)
スパナ
六⾓レンチ
塗料ノズル(5)
1. 装置及び塗料通路を圧⼒から開放して下さい。
2. リアボディ(10、⼜は 11),ニードルスプリング(9)を取り外し、ニードル Assy(8)をプライヤーでガン本体から引き抜いて下さい。
3. リテーニングリング(1),エアキャップ(4)を取り外して下さい。
4. 10mm ボックスレンチ⼜はメガネレンチにて塗料ノズル(5)を取り外して下さい。
5. 逆⼿順により組付け下さい。塗料ノズル(5)の締め付けトルクは 12N・m。
☆ニードル Assy(8),ピストンシール(7)の交換
1. リアボディ(10⼜は 11),ニードルスプリング(9)を取り外し、ニードル Assy(8)をプライヤーでガン本体から引き抜いて下さい。
2. 新しいニードル Assy を挿⼊し、スプリング、リアボディを取り付けます
3. ピストンシールは外す際にキズが付くので、再使⽤はできません。
☆ニードルシールキット(6)の交換
1. リアボディ(10、⼜は 11),ニードルスプリング(9)を取り外し、ニードル Assy(8)をプライヤーでガン本体から引き抜いて下さい。
2. ニードルシールキット(6),を 13mm のボックスレンチ⼜は専⽤⼯具(別売)を使⽤して取り外します。
3. 13mm のボックスレンチ⼜は専⽤⼯具(別売)に,ニードルシールキット(6)をセットし、ガンボディに組付けます。その際、シールキットの O
リングに薄くワセリンを塗布してください。
4. ニードル Assy(8)のピストンシール(7)にワセリンを塗布し、ガンに挿⼊して下さい。
5. ニードルスプリング(9)を⼊れ、リアボディを取り付けます。
6. CYL に 0.35MPa加圧してニードルの作動確認を⾏って下さい。
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図.5 ガン分解図
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項番 部品番号 部品名称 数量 備考
1 T2AG-368 リテーニングリング 1 キャップシート、リングガスケット含
2 T2AG-50-K5 キャップシート 1 5 ヶ⼊り
3 T2AG-55-K5 リングガスケット 1 5 ヶ⼊り
4 表 1参照 エアキャップ 1
5 表 2参照 塗料ノズル 1
6 T2AG-10 ニードルシールキット 1
7 T2AG-102 ピストンシール 1
8 表.2参照 ニードル 1
9 T2AG-106 ニードルスプリング 1
10 T2AG-500 リアボディ(固定タイプ) 1
11 T2AG-600 リアボディ(可変タイプ) 1
12 T2AG-140 0 リング(⼩) S4 3 塗料⽤ 2 ヶ、エア⽤ 1 ヶ
13 T2AG-130 O リング(⼤)S6 2 エア⽤
14 T2AG-100AL マニホールド(アルミ) 1
T2AG-100SS マニホールド(SUS)
15 -------- 六⾓⽳付ボルト M6×L25 1 市販品
16 -------- プラグ 1/8 1 市販品
17 T2AG-STU-64 塗料継⼿ 2 フルイドシール付
18 EC6-R1/8A-M-R1001 エア継⼿ 3
19 T2AG-TU-1-K5 フルイドシール(5 ヶ⼊) 2
T2AG-3-K ガンスタッド・キット 別売
T-AGPZ-34 ニードルシールキット専⽤⼯具 別売(分解図参照)
T2AG-700 リアボディ(⽬盛付可変式) 別売(分解図参照)
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サービスチェック
通常のスプレーパターン
正しく組まれたガンのスプレーパターンは ATM,FAN エア調節により全閉の丸パターンから全開の細⻑いパターンまでパターン⼱の
調整が出来ます。
パターンのサイズは、使⽤するエアキャップによっても異なります。
現 象 原 因 対 処
スプレー出来ない。 ガンに圧⼒が⼊っていない。
ピストンが動かない。
エア及び塗料ホースのチェック。
CYL エア作動圧確認。
パターン不良
A.ガンの調整不良。
A,B エアキャップ(4),塗料ノズル(5)のつまり。
A,B エアキャップ(4),塗料ノズル(5)破損。
A.再調整。操作覧参照。
A,Bエアキャップ(4),塗料ノズル(5)の掃除。洗浄覧参
照。交換。
注意
つまりの箇所を⾒極めは、B エアキャップ(4)を回してスプレーします。パターンに変化がない場合の原因
は、塗料ノズル(5)です。パターンの偏りが変化するようであればエアキャップ(4)に原因があります。
C,D塗料の出過ぎ。
D.塗料の出⽅が少ない。
C,D薄める。量を減らす。操作覧参照。
D.吐出量を上げる。操作覧参照。
息つき。
1. 塗料不⾜もしくは,ホースのつまり。
2. 塗料通路のつまり。
3. ニードルシールキット(7)の摩耗,緩み。
4. フルイドチップ(3)の傷,ゆるみ。
1. 補給,つまりの洗浄。
2. 洗浄。
3. 交換。締め直し。
4. 交換,締め直し。
リアボディ中央⽳からのエア
洩れ。
ピストンシール(7)の損傷⼜は、摩耗。ガンボディ
のシリンダー部の傷。
交換。
傷の程度によっては、ボディの使⽤不可。
塗料ノズル (5)からの液漏
れ。
塗料ノズル(5)内のニードル(8)接地⾯のつまり。
塗料ノズル(5),ニードル(8)の傷,摩耗。
ニードルプリング(9)の破損,変形。
洗浄。
交換。
交換。
ガンボディの3mm⽳からのエ
ア⼜は、塗料洩れ。
ニードルシールキット(6)の損傷⼜は、摩耗。 交換。
アクセサリー
部 品 番 号 部 品 名 称
SSL-10 スプレーガンオイル(60cc)
42884-214-K5 クリーニングブラシ(5本⼊)
GC-100-K48 ガンカバー(48枚⼊)
HD-505 クイッククリーナー(5L)
HD-510 クイッククリーナー(10L)
KK-5033-805MT2 エアキャップテストキット(AV-1239-805MT2⽤)
KK-5033-807MT2 エアキャップテストキット(AV-1239-807MT2⽤)
AGA-415 ユニバーサルクランプ
OM_AG_T2AGPV-J03_2025.04